蕎麦業40年の職人が在来種を扱う「古式蕎麦 玄水」が名古屋の栄・錦に新規オープン

名古屋の栄・錦に在来種にこだわった「古式蕎麦 玄水」が6月にオープン。名古屋の蕎麦好きなら誰もが知っているあの名店の元大将であり、40年以上蕎麦を愛し、蕎麦を研究し続けた職人・高橋長次郎さん。そんな伝説の蕎麦職人と慕われた「玄水」の大将にお話を聞いてみました。




▶︎古式蕎麦 玄水(Koshikisoba Gensui)


・名古屋市中区錦3-11-15 錦101ビル1F


・052-253-6350


・11:30~14:30(L.O.14:00)


 17:30~22:00(L.O.21:00)


・日曜、第2・4月曜定休日


https://tabelog.com/aichi/A2301/A230103/23074368/



______今回玄水が開かれるに至った経緯を教えてください。
今まで蕎麦を40年以上研究し蕎麦屋をやっていました。しかし、5年程前に大きい病気にかかってしまい引退することになったのです。生死の境を彷徨いながらもなんとか奇跡的に復活することができ、「もう一度蕎麦を打ちたい」と今回、名古屋の栄・錦にお店を開くことを決意致しました。


_______「在来種」の蕎麦屋さんという事ですが、大将が「在来種」にこだわる理由とは一体何でしょうか?
今、一般的に出回っている多くの蕎麦は品種改良された蕎麦です。品種改良された蕎麦の実は大量に収穫ができ、コストも安く、災害に強いという特性から、多くの農家の方は品種改良された蕎麦を扱うようになってきました。
戦前を知る人は「昔の蕎麦はうまかった」と言います。日本では品種改良が進む前の戦前までは在来種しか出回っていませんでした。在来種は、蕎麦の甘味・食感・香りが良く、大変美味しかった。
玄水では「本当の蕎麦」を味わってほしい。したがって、古来から伝わる「在来種」に着目し蕎麦を打っているのです。


 



実際の口コミ→https://tabelog.com/aichi/A2301/A230103/23074368/dtlrvwlst/


______大将が蕎麦を作る時に気をつけていることはなんですか?
蕎麦を昔ながらの姿で食べてもらうことはもちろん、何より「水」にこだわっています。湿度・蕎麦の特性により水の硬度を変えて打っています。

_______蕎麦以外の一品料理のこだわりを教えてください。
玄水は「蕎麦屋」という所にこだわっています。余計なものは使わない。小手先だけの調理じゃないように蕎麦を邪魔しないものを使用しています。天ぷらは柳橋市場で旬の食材を厳選し、さっぱりと軽い食感になるように、自家製のブレンド粉を使用しています。他の一品料理にも手を抜きません。

________お酒もかなり豊富ですよね。
実は蕎麦の成り立ちは「呑み処」なんです。お酒の〆に「蕎麦切り」を頂くのが本来の蕎麦の楽しみ方であり、「蕎麦前」という言葉は日本酒を指す言葉ですが、これもその由来を元に出来た言葉です。日本酒も蕎麦同様、時期により美味しいもの・蕎麦に合うベストなものが変わってくるので、自身で厳選して仕入れるようにしています。

_________蕎麦屋をやるうえでの「やりがい」は何でしょう?
今でも蕎麦を打つことが好きで、寝ても覚めても蕎麦のことばかり考えるくらい夢中になっています。元々は日本料理をやっていましたが、その中で蕎麦に出会い魅了されていきました。
最初は全くうまくいかず悪戦苦闘の日々でしたね。ゼロから分からない状態で独学で研究をし続けてきました。その分誰よりも蕎麦に対して愛着が尽きないのだと思います。

__________最後に、玄水の魅力を教えてください。
店名の「玄水」とは蕎麦に大切な2つの素材の意味を込めています。「玄」は原料である玄蕎麦の玄、「水」は蕎麦の風味を引き立てる水。また、玄水という言葉は古くからの隠語で「日本酒」という意味もあります。蕎麦を純粋に楽しんで頂くために小手先の調理技術に頼らず、「蕎麦」というものにフォーカスし、「蕎麦とは」という事をコンセプトにしています。本当の蕎麦を楽しむお客様に向けて最高のパフォーマンスが出来るよう、日々研究し精進しております。

 

 


 

-----------------------